音楽駅での空理空論 #2
Date : 2021.01.11 / Author:鐘湖曜餅
音楽における言語表現の向かうところ
楽音が演出する上にあるその全種すべては
跳躍を目指した人の心がそれを経た後には違うように
着地を目指した人の心がそれを経た後には違うように
書かれたうたが帯び得るすべての意味は
建築の意思と後にその構造物が持ち得る全種の意味と同じく
常に到達を越えた後の到達を目指したものである
その点において音楽を含むあらゆる芸術は
残される動機そのものであるから
現在過去未来の3地点の因数としての
それらの向かうそれぞれの3点とやって来たそれぞれの3点を常に含む
意思や感情の記録とは
時間の経過の外で観察され記録される到達の直前の視野であるから
それらの提言も等しくどこから来てどこに向かうのかが観察され
それらの沈黙も等しくどこから来てどこに向かうのかが観察される
人による音楽の結び目を、前へ引くのも後から押すのもまた人なのだ
それらの動機は今日も幾億と進行する複数の時間の狭間をまたぎ渡っている