THIRTY THREE RECORD

音楽駅での空理空論 #5

Date : 2021.03.03 / Author:Yawn of sleepy

未知が既知を目指す
では既知が目指すものは?

“かつての未知であった既知”が未知の手を振り払う?
そうする最中にそれぞれが持ち得る言葉は?

新しい知に喜び戯れるのは
両者にとって同じこと

音楽とは未知が既知に手を伸ばすまさにその時のこと
既知も未知もそれ自体では鳴らないものだ

覚えていて欲しい
音楽と人の世の幸せの結び目の在処を

発音と発声のその命運は
それらの動機次第で天と地ほども変わるもの

人は自身が捉えた意識に囚われる
いかなる感情の下にも奏では静かであるべきだ

音楽を感じ考える力は
イメージを捉える為のものではないのだ

音を見る力こそは新しく聴き広がりをつくるもの
音楽は未知が既知に手を伸ばすまさにその時にだけ鳴っている

今日も過去から未来へと大気中を無数、交差し踊っているのは
喜怒哀楽と音楽の連関/楽音と動機の結び目であるのだから

余白を以ってして初めて
私達は選ぶことが出来るのだ

← Back To Essay Top