THIRTY THREE RECORD

音楽駅での空理空論 #13

Date : 2022.10.30/ Author:Yawn of sleepy

砂の山の前に一人で座って
両側からトンネルを掘っていった時の
右手と左手が出会えた瞬間のその感じ

自分の手なのに自分のじゃないような
もう片方の自分の指先が誰かの指先に感じられるような
特異な驚きと喜びを感じられて繰り返し確かめてみたような

あれは受動と能動が同時に起こり境がなくなる時のこと
つまり二つの領域が双方向的に発生して成立する時のこと

それは主観と客観が同時に出会う感覚を覚える知の始まり
つまり目的と過程とその前後を別々に伴って現在過去未来が出会う時

夢が叶う時の感覚と条件、状況にそのままよく似ていると思う
何度だって体感したり思い出して覚えたりすると良い

子供でも大人でも、一人でも誰かとでも
例えば木工でも例えば商談などでも、もちろん写真や音楽であっても

遊びから学べる大切なことのひとつなのではないか
自分に、互いに、大いに覚えさせてあげたら良いと思う

相手に向かってやる時にも
自身に向かってやる時にも
またはその両方が同時に起こる時にも

幾つかの相互が同時に共存する時の感覚を知っておくことは
この世界で生きることにきっと役に立つことなのだから

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